Prologue

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『イーグル二機編隊、チェックイン。スクランブルによるタキシングを要求』 『イーグル編隊、ランウェイ(滑走路)36へのタキシングを許可する』  那覇基地指令部から通信が入った。指示に従い、馬場はタキシングブレーキを解放してアラートハンガーを出る。機体をアラートハンガーからタキシーウェイ(誘導路)へと進めていく。  馬場の前を同じくイーグルがタキシング(地上走行)している。  コールサイン、イーグル01の隈井弘一(クマイ・ヒロカズ)三等空佐。TACネームはヒロ。彼が今回、班長を務める。イーグル02は馬場。TACネームはシャープ。二人とも熟練のパイロットと言えた。  TACネームというのは各国空軍や航空自衛隊の戦闘機パイロットに与えられる愛称だ。  空では指揮系無線を除いて常にTACネームで呼び合う。  民間機の発進よりもスクランブル発進の自衛隊機は優先される。誘導路に日本エアラインのボーイング777-300型機が待機しているのが見えた。
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