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2学期も始まり
僕たち中学3年生は進路を決めないといけない時期だ
部活も終わり虚無感が支配していたが皆,次の道へ進む準備をしている
「井田君部活頑張ったね 進路決まった?」
隣の席の奥寺さんが話しかけてきた
「いや決まってないよ・・」
曖昧な返事をしながらもやっぱり上手く会話は出来ない
そう 僕は女子と話すのが苦手だ
いや女子が嫌いな訳ではない
柔道部というのは男ばっかりの世界だったし免疫が無いのだ
奥寺「私も~推薦いくつか来たけど迷ってるんだ~」
奥寺さんもソフトボール部部長で県大会で3位の成績を出している
「へ~推薦か~凄いね」
「井田君も来てるでしょ推薦 柔道頑張ってたし」
「うん でも迷ってるんだ」
実際
夏の大会以降いくつかの高校からお話が来た
しかし神奈川県の高校柔道は
東洋大相模 桐翔学園 日大桐沢
この3校の力が強い
この3校以外でインターハイに進むのは皆無と言っていい
特に東洋大相模は全国大会の上位で有名だ
奥寺「桑田君は何処に行くのかな」
「桑田は桐翔学園じゃ無いかなあそこには森田先輩もいるし」
森田先輩は柔道部の憧れの先輩だ
2つ↑ながら78キロ級で県大会1位 全国大会準優勝の成績 しかも生徒会長もしていたスーパー柔道マンだ
僕にも推薦が来ていたのは事実だ
でも桑田が桐翔に行くのを知って何故かやる気が出ない
僕を推薦してくれた高校も強豪高校なのは確かだし熱心に家まで来てくれた高校もある
でも なぜだか行く気になれない
僕の家は自営業だし裕福じゃないのでスポーツ推薦以外は公立高校に行くしか無い
勉強は出来るほうだったから自力でその3校に行くのも不可能では無いが
やはり家の金銭的にはスポーツ推薦じゃないと厳しい
でも
でも
でも
・・・・・
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