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そして翌日。宣言通り、同じ時間に彼がやって来る。
「こんにちは」
「いらっしゃいませ」
私はすでに自分で選んだリボンをかけた商品をカウンターに置いた。
「さあ、これでお持ち帰りになれますよ」
どうだ、と言わんばかりに得意げに彼を見ると、彼は驚いたような複雑な表情を見せた。
「これは……どうも。お手数をおかけして……」
ゴニョゴニョ呟く彼は懐を探って財布を出し、お代はいくらですかと聞いてきた。
私が商品から外した値札を見せると、とたんに彼の顔がぱっと明るくなった。
「すみません。あいにく持ち合わせがありません。
また明日ここへ来るので、それまで待ってもらえませんか?」
「はいぃ?」
明らかに嘘だ。彼の握っている財布からは、お札が見え隠れしている。
オルゴールはそんなに高価なものではないし、第一、私は手ごろな価格で商品を提供することをモットーとしている。
「払えない」なんて言われたことは、今までただの一度だってないのだ。
そんな私の様子に気づいたのか、彼は急にしょんぼりした風に下を向いた。
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