Gift

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「あのう……」 しばしの沈黙の後、私はそろそろと口を開いた。 「あなたはもしかして、プレゼントが完成してしまうのが怖いのでは?」 とたんに青年は、なぜ分かったんだ? というようにぽかんと口を開けて私を見た。 「プレゼントが手に入ったら、それを彼女に渡して告白する。その瞬間を迎えることが、怖いのではないですか?」 「………!」 口をぱくぱくさせる彼の頬が、みるみるうちに真っ赤になっていく。 図星か、と思うのと同時に、やはりかわいいなと感じた。 ──なんて素直で分かりやすいんだろう。 「でも、そんなことでは、いつまで経っても気持ちは伝わりませんよ?」 「は、はい……そうですよね……」 片手で口元を覆うが、真っ赤に染まった頬は隠れきれていない。 私はつい声をたてて笑ってしまった。 「勇気を出して。きっとうまく行きますよ」 「はあ……」 うろたえる彼に、私はひとつの提案をした。単なる思いつきだけれど、それはとても良いアイデアのように思えた。 「メッセージカードを付けてみたらどうかしら?」 .
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