Gift

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「いつも少し離れた場所から見ているだけなので、どんな人なのかまでは……」 真っ赤な彼が困ったようにぽりぽり頬をかいて、ぽつぽつと話し始める。その様子はとても初々しい。 「見た目の雰囲気や、身につけているものを思い出してみてください。そこから、その方の好みを探りましょう!」 「そ、そうですね……彼女はとても……そうだな、とても笑顔が素敵な人です」 そう言って照れたように笑う彼の笑顔も、とても素敵だ。 「それと、最近はよく本を読んでいるのを見かけます」 「なるほど、お相手は女性で……読書が好きな方なんですね。これなんてどうかしら? きれいな模様の入った栞です」 私が模様の違う栞をいくつか手渡すと、彼はそれをしげしげと眺めて「いいですね」と曖昧にうなずいた。 「……どう思います?」 彼の問いかけの意図をはかりかねて首をかしげて見せると、軽く声を立てて彼は笑った。 「あなたはこういう物を使ったりしますか?」 「ああ。ええ、ときどきは。私はもっぱら、気に入ったページには付箋を貼っています」 私はよく雑誌を読む。次の仕入れの参考になるような商品や、部屋に飾ってみたいと思うような小物を見つけては、付箋で印をつけておく。 栞は本を広げると落ちてしまうが、付箋は目的の場所に糊でくっつくから便利なのだ。 .
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