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「あ・・・これ美味しい・・・」
貰ったみかんは本当に美味しかった。
お腹がすいていた事もあったかもしれないけど、今までで一番美味しかったかもしれない。
「でしょー?これウチのおじーちゃんが作ったやつなんだよ。」
「へー・・・そうなんだ。いいなぁ。」
「いいでしょー。」
あまり表情は分からないがニコニコして楽しげなのが伝わってきた。
凄く柔らかい感じの話し方をする人だなぁ。
見た目とギャップありすぎ・・・
「あたし、ミカンって言うんだー。あなたは?」
「あ・・・私はイチカ・・・です。」
「イチカちゃんねー。イチカちゃんはコミケとか来るの初めてなん?」
「初めてだよー。こんなに寒いとは思わなかった・・・」
「最初はそんなもんだよー。ホッカイロ余ってるからあげるよ。」
「え・・・いいの?ありがとう!」
驚いた事にデカイの・・・いやミカンは女の子だった。
背が高くて見た目がアレだったので男かと思ってた・・・。
一人で並んでいた私にとって話相手が出来た事は本当にありがたかった。
先ほどまで無言でずっと堪えていた時に比べると、列もサクサク進んでいるように思えた。
この時はもう周りの目とか完全に気にしていなかった。
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