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もちろん、奈津も霊能力者だ。
母に聞いた話では、妖術はあまり得意ではないが体術に長けているらしい。
あの大きな身体ならば肉弾戦には有利だろう。
シング
“叉魂”も使いこなせているらしいし。
階段を下りて玄関に向かうと、そこには確かに優斗がいた。
そういえば…翔太がこいつ探してたわよね。
「やあ、おはよう里菜さん。今日も朝から修練したんだって?
土曜日だっていうのに、里菜さんは本当に熱心だね。」
優しい笑みでそう言う、その男。
「あんたね…。」
私は呆れてものも言えない。
志羽優斗。
長身で、筋肉質な身体。
身体つきだけを見れば翔太に似ているが、決定的に違うのはそのルックス。
小顔で、綺麗な二重の目。
高い鼻、形の良い口。
外国人のようにも見えるその整った顔立ちに、爽やかなイメージを醸し出す黒髪のウルフヘアー。
外見だけ見れば、道行く人が振り返ってもおかしくないその造り。
しかし…。
決定的に良くないのは…。
「…なんだよ?珍しく“イイ人モード”で挨拶してやったのに…。
その顔、まるでこの俺様に会いたくなかったみたいだぞ?」
その…最悪な性格。
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