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「卒業かぁ……。」
ぽつりと、哀愁ただよう声色で圭が言った。
後一年あるけどな……なんてことは、僕は言わなかった。
ポジティブな圭も、僕と同じ表現しきれない不安があるとわかっていたからだ。
だけど、僕達二人は同じ高校を目指している。
進学校で、良くも悪くもない、いわゆる普通の高校だ。
いつもは恥ずかしいからこんなこと絶対言えないが、圭は自慢の親友だ。
ポジティブで前向きな行動、ストレートな物言い。
明るい圭に、何度救われたことか。
だから、環境が変わっても、圭がいれば、大丈夫。
そう、思っていた――――
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