15歳

3/3
前へ
/3ページ
次へ
「卒業かぁ……。」 ぽつりと、哀愁ただよう声色で圭が言った。 後一年あるけどな……なんてことは、僕は言わなかった。 ポジティブな圭も、僕と同じ表現しきれない不安があるとわかっていたからだ。 だけど、僕達二人は同じ高校を目指している。 進学校で、良くも悪くもない、いわゆる普通の高校だ。 いつもは恥ずかしいからこんなこと絶対言えないが、圭は自慢の親友だ。 ポジティブで前向きな行動、ストレートな物言い。 明るい圭に、何度救われたことか。 だから、環境が変わっても、圭がいれば、大丈夫。 そう、思っていた――――
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加