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レイドとの出会いから一週間。 「ありがとうね、リエルちゃん。そっちの子も」 村人に頼まれ、隣の村まで送った後、村人がお礼というように僅かなガルドを渡してくる。 「おばさん、いつもいいって言ってるのに!」 「いいんだよ。本当に気持ちなんだから」 そう言い、行ってしまった女性に溜め息をつく。 「いつもこんなことしてるのか?」 「うん。家にいてもそんなにすることないし。それよりレイド、強いんだね」 そう返しながら来るまでの道を思い出す。 リエルはよくしていることだった為、勿論慣れていたが、レイドはそれ以上だった。 (殆どの魔物を一太刀だったよね) 感心しながらも寂しさが込み上げてくる。 出会った頃はよく顔を歪めていたが、今はなく戦闘などを見ていても本調子に戻りつつある。 怪我が癒えるのは勿論嬉しい。 だが、別れが近付きつつあるのを思うと複雑だった。
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