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『セルガイナ』 ルチナ王国 〈ティアソ村〉 「あ、リエルちゃん、おはよう」 「おはようございます。ベチアおばさん」 「今日も行くのかい?」 「はい!」 家を出たところで道を掃除していた女性に声を掛けられ、リエルと呼ばれた少女は振り返った。 「リエルちゃんは本当にリッツェル湖が好きだねぇ」 「それは、あそこは思い出の場所ですから。お兄ちゃんやお父さん、お母さん、セレアとの。だから会えなくてもあそこにいれば、皆いるような気がするんです」 「まぁ、リエルちゃんのご両親は忙しいし、お兄さんは最近帰ってこないからねぇ」 「あはは。あ、そろそろ行かないと遅くなっちゃう」 苦笑いしてはっと時間を思い出す。 「おっと、そうかい?引き止めてごめんよ。気を付けて行くんだよ。最近魔物が凶暴化してるらしいからね」 「はーい」 リエルはそう答えると、村の出入口まで歩き始めた。
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