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「ふぅ」
なんとか日がおちる前に村へ帰ることが出来、安堵する。
すでに村の医者に診てもらった青年の体には至るところに包帯が巻かれていて、今はベッドに横になっていた。
(医者じゃなくて治癒師ならもっときちんと治せたのにな)
医者が置いていった薬や包帯、ガーゼの換えを見ながら思う。
しかしこの村には治癒師はいない。医者も村でごく小さな診療所をしているさっきの医者一人だけだ。
「夕飯、どうしよう?起きるかな?」
連れてきた時に比べて、顔色はよくなってきている。
(もし起きたら何か食べるよね?消化がよくて栄養のあるものがいいかな)
そんなことを考えながらそっとその場を離れる。
その時、ベッドで眠っていた青年の手が僅かに動いたことに気が付かなかった。
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