12人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
自分が何故この世界にいるか……考えたことはあるだろうか?
使命?
運命?
偶然?
僕の知るある人はそう聞いたとき
「はぁ?何故?そんな事知るか。そこにいるからいるんだよ。」
とたばこを吹かしながら吐き捨てた。
僕が真剣に考えているんだからましな答えをくれよ。
と要求すると頭に拳骨を落とされた。
「餓鬼が湿っぽいこと考えてんじゃねえよ。」
僕は痛む頭を押さえながらその人を睨む。
少なくともあんたより年上だ!といい返したら、
「俺より小さい餓鬼を年上と見るなんてバカできねえよ。」
とはなで笑われた。
「そんな事ばっかり考えてるから背が伸びねえんだよ、チビ。」
その人の言葉が胸に刺さる。
肩を落とした僕を見てその人は大爆笑し、笑いながら僕の頭をグシャグシャと撫で回す。
「バカなこと考えてる暇があんなら早くこの世界から出ることを考えるんだな。もうエルフなんて数えるぐらいしか残ってないんだろ?」
僕は目を伏せる。
仲間達は殺された。
そして、僕だけが残った。
「なくなバカ。その……あれだよ。少なくとも俺はおまえが死んだら悲しいな。だから、死ぬなよ。」
頭をなでていた手が止まる。
顔を上げると照れたように笑うその人がいた。
それはあの日、初めて僕達が出会った時と同じ笑顔。
〔何故この世界にいるのか。〕
答えはまだでないけど、一つだけ言えること。
僕はこの人の側にいたい。
それじゃだめかな?
「おい、サーフ!立ち寝か?惚けてるとおいてくぜ!」
口は多少悪いけど、
「わかってるよ!」
種族も違うし、仲間をたぶん一人は手に掛けているだろうけど、
「早くしろ。お前はドジだからな。」
それでも信じてるからね……相棒。
最初のコメントを投稿しよう!