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「ヒュ~……サーフお見事。」
上條がわざとらしく口笛を吹く。
「グングニル、やり過ぎ。僕はヘルメスさんみたいにブラックリストにのりたくない。」
〈うぬぬ…サーフ、お主の魔力量が多すぎて加減が難しいのじゃ。〉
「そこをうまく加減するのが伝説の武器でしょ?」
〈申し訳ない。〉
「内輪喧嘩はそのぐらいにして、まだボスが残ってるみたいだからな、早く探そうぜ。」
言い争う槍とエルフを楽しそうに目を細めてみていた上條が言った。
「そうだね。グングニル、帰ったら特訓しよう。」
〈了解した。〉
「お前ら、鍛錬場壊す気満々だろ。」
ため息をつく上條。
またタバコを取り出し、火をつける。
そして、紫煙を吐き出したあと、鋭い目をさらに細くしてビルの一角を見つめる。
「サーフ、グングニルしまえ。俺がやるから、あの影を実体化してくれ。」
そういって地面に突き刺していた大剣を抜いた。
「おい、出番だ。」
〈master~……頭が~…頭が地面に刺されたように痛いです!〉
「そりゃ、今さっきまで誰にも気がつかれることなく地面に刺さってたからね。」
サーフの言葉に上條はすまないと大剣に謝った。
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