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「お? もしかして見学ってやつかい?」
そう言われながら、急に後ろから肩に手をポンッとあてられ、思わず身体がビクッとなる。
「っ…! あ、はい…」
普通にびっくりしたぁ…
60年後の僕にしたら、命に関わるほどの衝撃だったと思う。
「あはは、驚かせちゃったね。ごめん、ごめん。俺は卓球部の部長をやらせてもらってる宮下だ。君は?」
宮下先輩もやっぱり、他の部活の部長たちと同様に、全体的に大人っぽい人だ。
短めの黒髪と眼鏡が特徴的かな。
「僕は…」
「宮下部長! 新しい卓球台の申請、通りましたよ! 小倉先生が呼んでます!」
一人の男子部員の突然の乱入で、僕の自己紹介は遮断された。
…まぁいいんだけどね。
「ホントか!? いやぁ、ダメもとで頼んでみたけど、頼んでよかったなぁ! じゃあ俺、ちょっと行ってくるから、この子お願いするわ。見学しにきた一年生だから、丁重に歓迎してあげてな」
そう言うと宮下先輩は、卓球部の顧問と思われる小倉先生のもとへ向かっていった。
「え~っと、見学ってことは、卓球に興味があるんかな?」
僕のことを任された、男子部員がそう聞いてきた。
「はい、経験はあまりないですけど、すごくやってみたくて」
映画の影響なんて言ったら
なめてんのか、とか言われそうで
僕はそう答えた。
まぁ心配し過ぎな気もするけど……
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