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「え? ちょ、おまっ…!」
いきなりその場を走り去った僕を、呼び止めようとする藤堂。
だが心の内では、このまま女子器械体操部を見ていたいという気持ちが強いのだろう
藤堂の言葉は途中で終わり、結局ずっと女子部員たちを眺めていた。
そんな藤堂に構うことなく、僕は先程まで見学していた卓球部にやってきた。
さっき聞いていたのと、変わらぬラリー音が聞こえて来て、思わずテンションがあがる。
元々僕は、卓球部というのに憧れを抱いていたことがあるんだ。
それは、小学生の時に見た、卓球部を舞台にした一本の映画の影響が大きい。
実際に俳優達は試合をしていないのだろうけど、小学生の僕がサンタを信じるのと同じように、当時は打ち合ってるものばかりと思っていたのだ。
最新技術の高さに気付いた今になってさえも、僕は卓球部への憧れが消えずに残っていた。らしい。
中学校では卓球部がなかったため
その憧れを今の今まで忘れていたのだ。
………見てると、だんだんやりたくなってくるのが卓球というもの。
目の前で繰り広げられている卓球の試合に、僕の身体が疼いてきたみたいだ。
どうしようか…
まじで卓球やりたいな…
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