6人が本棚に入れています
本棚に追加
その後。
僕は何度か空振りを続けたが、次第に打てるようになってきた。
ネットに当たったり、台の外に飛んでいったりなど、正確に打ち返すことは出来なかったけど、球が当たるだけですごく慶びを感じれた。
段々と部員も集まってきたので、僕はそろそろ失礼することにしよう。
「今日はありがとうございました」
「また来てくれよな」
相手をしてくれた男子部員に礼を告げて、僕は体育館を後にした。
さて、藤堂はまだ器械体操部の見学をしているのだろうか。
行ってみよっと。
さっきまでと変わらずに、バドミントン部の奥にて、マット運動を行っている女子器械体操部。
僕は再びバドミントン部の横を静かに通行して、体操部の近くまでやってきた。
だけど…
あれ、藤堂がいないな。
「あの男の子なら、先生に呼ばれて行っちゃったよ?」
「っ! え… あ、そうですか…」
またまたびっくり。
なんで先輩たちは、人を驚かす登場の仕方ばかりするんだろう。
今度は真理子先輩が、いつの間にか僕に接近していて、声を掛けてきたのだ。
「びっくりしちゃった? ごめんねぇ」
相変わらず子供っぽい先輩だなぁ…
藤堂がロリコン万歳って言ったくらいだから、僕だって……!
なんて考えてしまいそうで怖い怖い。
最初のコメントを投稿しよう!