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「いえ、あの…親切に教えていただき、ありがとうございました」
少し緊張しちゃってます。
だってだって、もともと初対面の人だってそんなに得意じゃないのに、いきなり無茶苦茶可愛い先輩がこんな近くにいて、しかも会話してるんだもん……
「ん~? そんなに畏まらなくてもいいよぉ。 私のことは、真理子って呼んでくれていいからねっ」
更に顔が近くにっ…!!??
しかも呼び捨てだなんて、呼べるわけがないしっ……!!!
「呼びづらいようだったら、お姉ちゃんでもいいよぉ?」
「え…?」
ちょっと待って。
何をどう間違えればこういう展開に行き着くのだろうか。
「君みたいな弟、欲しかったんだぁ~」
くっ…!
藤堂といい、お姉ちゃ……いや、真理子先輩といい、冗談か本気か解らないような目をしてくるんだもんなぁ……
「えと…その…僕は…」
「ん~?」
「ぼ、僕も…真理子先輩のような姉が欲しかったです…」
僕はこれでもかと言うくらい顔を赤くさせながら、そう答えた。
言い終わってすぐに、更に顔や体が熱くなっていくのが分かった。
「ほんとにぃ? …なんかホントに弟が出来たみたいでうれしいなっ。よしよし…」
真理子先輩は笑顔で僕の頭をなでてきた。
なんだかこそばゆいような、恥ずかしい気持ちになったのは言うまでもない。
だってここ体育館だから、部活してる人達に見られてるぅぅうぅ……
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