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「やっと終わったなぁ~」
苦笑いしながら、英語が苦手な僕の友達がやってくる。
名前は藤堂 毅(トウドウ ツヨシ)。
このクラスで一番最初に僕に話し掛けてきた、勇気ある男子生徒だ。
「そうだなぁ~」
僕も藤堂ものんびりとした性格のため、いつもこんな調子の会話ばかりだ。
飽きも退屈もしない穏やかなこの雰囲気が、なにげに僕は気に入っている。
「部活決めたか~?」
藤堂が聞いてくる。
昨日も聞いたような質問の気がしたが、その点に関しては何も言わないでおこう。
「まだだなぁ~」
特に入りたい部活がなかったため、僕も藤堂も帰宅部を続けていたのだが、せっかくの高校生活なのだから、とりあえず何かに入っておこう
と、藤堂が言い出したのは、一週間以上も前のことだ。
「今から色々、見学にでも行ってみるかなぁー」
このままだと、この会話が進展しそうにないため、僕は思いきってそんなことを言ってみた。
すると、藤堂は予想外だったようで
「まじか~。そんなら俺も付き合うぜ~」
と驚きながら(のんびりな藤堂にしては)言ってきた。
そして放課後。
窓から見えるグラウンドでは、陸上部や野球部など、熱い部活練習が展開されている。
どこから行こうかなぁ……
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