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「そういえば、うちの学校のバレーボール部って、すんごくレベル高いんだってなぁ~…」
ふと、藤堂が思い出したかのように、そんなことを言ってきた。
「へぇ~。それじゃあそのバレーボール部から見てみるかな」
特に、まずこれから見たいという部活もなかったため、早速その噂のバレーボール部を見てみようという僕の案に、藤堂は快く了承してくれた。
バレーボール部は、今いる本館とは別の棟にある体育館で活動しているため、ゆっくり向かうことを考えると、少し時間がかかってしまうが……
この後に用事があるわけでもないので、僕と藤堂はやはりのんびりと目的地に向かうのであった。
放課後の校舎内。
窓から見える、部活に参加している生徒達以外にも、意外と多くの生徒が残っているようだ。
黙々と勉学に打ち込む者
友達と談笑する者
本を読む者
それぞれがそれぞれ
与えられた、限りある高校生活を満喫しているように思えてきて、
それに比べて帰宅部だからという理由で今まで真っ先に帰宅していた自分を、虚しく感じてしまう。
藤堂も僕と同じことを考えているのかは知らないが、移動中はやけに静かだった。
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