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「声出してこー!!」
体育館に到着し、真っ先に聞こえてきたのは、女子バレーボール部の部長と思われる人物のそんな一言だった。
部員達も、部長に負けないくらいの大きな声で返事をして、次々と炸裂する部長のアタックに突っ込んでいく。
「気合い入ってんなぁ…」
藤堂は口を開けてポカンとなりながら
そんな熱い練習に見入っていた。
確かに気合いが入っている。
まったくの素人である、僕から見ても、一人一人のスキルの高さをひしひしと感じれるのだから。
しかも、見た感じ顧問が来ていないようだが、部長がすべて仕切っていることで、顧問なんかいなくても全員が一致団結している。
のんびりな僕や藤堂では
絶対についていけそうにない勢いだな
と思いながら、視線を横にずらしてみると……
「サーブいくぜ~」
「こいや~。既に貴様の技は見切ったり!」
あれ、何この違い、
気合い充分にボールにぶつかっている女子バレーボール部とは対象的に、男子バレーボール部はおふざけ満載のムードだった。
完全にお遊び、または暇つぶしのような姿勢で試合を楽しんでいる男子バレーボール部の野郎共。
よく同じ空気の中で練習出来るなと、改めて女子バレーボール部に感心した瞬間でした。
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