闇、焔と共に -story zero-

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いつも無関心だったはずの私が、感情的であることに驚きがあったが、今は全く意識の範疇にはなかった。 彼の口から散布したのは正しく血である。 身体中が血塗れで、もはや彼の命は風前の灯そのものだと誰が見てもわかる惨状に、私は感情を抑えずには居られなかった。 「アルク様、私の―――」 思いきって名案を口にするも、それは彼によって止められた。 彼は私の身を案じているのだろう。 それが逆に、私を傷付けているのをこの方はわかっている。それでもこのような仕打ちをやめてはくれなかった。 「それは愚案だな。――ゴホッ……」 あっさりと一蹴し、咳き込む。
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