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「騒がしいと思ったら、原因はまたお前らツートップバカか」
「「ツートップバカ!?」」
「待て! ……担任よ。ツートップとはまさか俺と文華様ではあるまいな!?」
「違うわよ! アンタと暁人のことに決まってるでしょ!! 殺されたいの!?」
「待て!! 何で俺がこの変態と同列扱いなんだ!?」
「暁人、何度も言ってるが俺は変態ではない」
「黙れ変態!!」
「静かにしろ! いいか? 東堂が騒ぐ所に必ず来栖がいて、来栖がいる所に必ず東堂が騒ぐ。お前らは二人でセットなんだ」
「納っ得いかねぇっ!」
「目上には敬語を使え来栖!」
「納っ得いかねぇっ! です!!」
「ですます調を付ければ敬語になると思うなよ!?」
その後、俺の全力の抗議も虚しく終わり、バカのレッテルを霧彦と共に張られたのは別の話、で良いのだろうか?
◇
時間は進み、今は昼休み。
クラスメートの多くは、昼飯を調達しに教室を出て行く。
俺もみんなに倣って飯を買いに席を立った。
「ほら、暁人。行くわよ」
突然、文華に襟首を掴まれ引きずられそうになる。
「おい、行くってどこにだよ! 俺はこれから飯を買いに――」
「いいから来るの!」
有無を言わさず連れ去られる俺。後ろから淺野がニコニコしながらついて来る。
そのまま引きずられ行き着いた場所は屋上だった。何故こんな場所に連れて来られたのか、未だに分からない。
ここには俺たち以外誰も――
「文華様! 場所取りは完璧です!」
最敬礼している変態がいた。
「良くやったわ。褒美にあたし達と一緒にお昼ご飯を食べることを許す!」
「ふ、文華様とお昼……! あ、有り難き幸せ!!」
一番見晴らしの良い場所だということは一目で分かった。街並みが一望出来る。
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