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いつしか智美は、俊之の熱心さに絆されていった。
俊之は、断っても断っても笑顔で誘ってくるのだ。
ある日、毎年親子3人で慎ましくも賑やかに行っていた息子の誕生日会に俊之を招いた。
俊之は、初めて会う息子達ともすんなりと打ち解け、息子達もまた、俊之を大歓迎した。
大いに盛り上がった誕生日会の日から、俊之は智美宅を度々訪れるようになった。
初めは戸惑っていた智美だったが、回数を重ねる毎に戸惑いは消えていった。
息子達が懐いている事と、智美宅を訪れた俊之が自然体で溶け込んでいる事が智美の戸惑いを消したのだ。
なにより、俊之は息子達の前で智美にアプローチをした事はない。
息子達にとって智美は、母である事を理解してくれていた。
そういう俊之の態度が、智美の心の琴線に触れたのかもしれない。
(ああ、私は彼を好きなんだわ。)
智美の中に、俊之への想いが芽生えていったのだ。
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