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2人で、時には子供を交えて4人で、流れ行く穏やかな時間を過ごし愛を育んでいった智美と俊之。
付き合い始めて3年程経ったある日、いつものように智美宅へ訪れた俊之は、いつもと違って強張った顔をしていた。
(何かあったのかしら…)
不安に感じた智美だったが、俊之が話してくれるまで待つつもりでいた。
小さなアパートの小さなリビングに、大きな体を縮こまらせるように座る俊之が、智美親子を前に逡巡する様子を見せながら口を開いた。
「大切なお話があります。」
1度大きく深呼吸した俊之は、真剣な眼差しで智美親子を見つめた。
そして、しっかりとした口調で話始めた。
「俺は智さんと結婚したいです。一生大切にします。約束します。直哉君、真輝君、お母さんを俺に下さい。智さん、俺と結婚して下さい。お願いします。」
俊之は深く頭を下げた。
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