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「だから、歳リン」
紅葉は真面目な顔で、そう言った。
なるほど。確かに、紅葉が言っていることは間違いではない。
むしろ、それが正しい選択だろう。
だが…
「歳リンて…」
お前の感性が…酷すぎだろ…。
「まぁでも、見つけたのがあたしでよかったよね~。あんなとこで、派手にしちゃって、世の中のオタクの皆さんが知れば…」
「知れば…?」
オタクとは、1つの趣味に物凄く熱中している、とても熱狂的な人のことらしい。
この時代には多いと聞いた。
「歳リン今頃…幽閉されてたよ…」
ゆ…幽閉だと!?
こ…怖えぇ…。
俺は全身の血の気が一気に引くのが分かった。
「お前っ!俺はこれからそんなものに逃げて生きていかなければならないのか!?」
「んー…」
紅葉は考えるように顎に指を置いた。
「とりあえず、その格好はまずいよねぇ…」
「……え?」
紅葉は俺を上から下まで舐めるように見ると、ニヤリと笑った。
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