超新星

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ちいさなちいさな星は、光もとってもちいさくて いつも いつでも みそっかす。  月日が経って、 いつしか輝く星になっていたけれど、 ちいさかった星は自分の輝きなどわからない。  今でも自分はちいさいと、 信じて疑うことなどできません。  いじめられても 自分が悪いと黙り込む。  大きな星がいたずらに、 たくさん光をはなって。  自分が見えなくなっても。  文句1つ言えず。  それは、自分が美しくないことを知っていたからです。  でもね。ちいさな星だって、かなしむ心はあるんです。  意地悪されたら痛いんです。  ちいさい星は、決めました。  『たくさんたくさんがんばって、超新星になろう!』  超新星を、知っていますか?  とても、とても明るい星です。  星がその命を終え、 最期のときに爆発する。  その最期の光、幻の星を、超新星と呼びます。  目にしたとき。その星はもうないのです。  だけど、みんな超新星になれるわけではありません。  ちいさな星では超新星になることは出来ないのです。 たくさんたくさん光る、 大きくて重い星でなくてはならないのです。  それに、 ちいさな星はまだ青くて、とても若い星。  これから何十億年の月日の命を持っています。  ちいさな星は考えます。  この命、全てをつかって、 大きな花火を打ちあげよう。  方法などわかりません。  まだ、だれもやってみたことはないのです。  だけど、ちいさな星はみつけた目標に向かってかけだしました。
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