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?「あなた、もしかして葉山結菜さん?」
そう声をかけてきたのは、30代ぐらいのとても綺麗な大人の女性だった。髪はこげ茶色で背も高いし、スラッとしていてとにかく綺麗だ。
結菜はその人に見惚れていたが、
ハッと我に返った。
結「…あっ、はい!」
…「やっぱり!良かった。なんとか迷わずここまで辿り着いたのね!向井さんは外門であなたをおろしたって言うし…外門から歩いてここまで来るんだろうから迷うんじゃないかと思って心配してたの」
そう言いながらその女性は私に近づいてくる。
?「ちょうど今迎えに行こうかと思ってたところだったのよ。…あっ、私の名前は石倉唯子(イシクラユイコ)。一応この学園の担任も受け持ってる教員なんだけど、まぁ…この学園の案内役ってところかしら?よろしくね♪?」
そう言ってニコッと笑った。
笑った顔もとっても綺麗だ。
優しい笑顔に寄り添うように焦げ茶色の髪が靡いた。
石倉さんにそう話しかけられ、私もそれに答える。
結「あっ…はい。葉山結菜です。よろしくお願いします。…少しというかかなり迷いましたが、無事に辿りつけたようで良かったです。…えっと…石倉さん、理事長室に行きたいのですが理事長室はどちらですか?」
すると、石倉さんは笑顔で答えた。
唯「…私のことは唯子でいいよ♪?理事長室ね~。それがね~理事長室は校舎の最上階の1番奥の部屋にあるのよね~。なんでそんなところに作ったのかしらね~?」
ん…?理事長室って最上階にあるの?!
普通職員室とかと同じ階にあるんじゃないの?!
そもそも最上階って…校舎って何階建てなの?!
結菜の頭の上には?がいっぱい浮かんでいる。
唯「…しかも最上階に行くにはいろいろとややこしくて…限られた人間しか行けないことになってるのよ。まぁだから私が案内役として任命されたんだけどね♪?あとは内門に入ってから説明するからとりあえず中に入ろっか♪?」
そう言って、石倉さん…改め、唯子さんは、内門にもいる守衛さんらしき人になにやら話をしている。
そして手招きされた私は先程外門の守衛さんにしたのと同じように入校の手続きを済ませ、唯子さんと一緒にやっとのことで内門を潜った。
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