愛蘭学園

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私は理事長の暖かい言葉と行動に涙が溢れそうになった。理事長はほんとに優しい人だなぁ…と思った。 結「…ありがとうございます…とても嬉しいです。あとで咲良と話してみます。」 そう言って私も精一杯の感謝を込めて微笑んだ。 理事長に事情を説明してくれた咲良にもあとでお礼を言わないと…。咲良のことだから全力で理事長にお願いしてくれたんだろうなぁ… 咲良には本当に昔からお世話になりっぱなしだ… でも…いくら姪っ子の頼みとは言え、素性を隠して編入なんて…本来なら認めてもらえないだろう…。理事長という立場を考えれば尚更だ…それでも受け入れてくれた理事長の寛大さと温かさ…この学園にして本当に良かった。 唯子さんもとても優しくしてくれたし、この学園には本当に温かい人ばかりだ。 と思った時、結菜はあることに気づいた。 そしてふと疑問に思ったことを理事長に問う。 結「………あれ?そういえば…確か唯子さんも石倉だったような……?」 …偶然かな? 私はふと疑問に思ったことを口にした。 すると理事長は「おぉ、忘れとった!!」と言わんばかりの表情で私の問いに答えた。 理「あっ…そうそう!唯子のことを説明するのをすっかり忘れておった。よく気づいたね♪実は唯子も私の姪っ子なんだよ。こんなに可愛い姪っ子たちを持って私は幸せ者だ♪」 そう言って理事長は笑顔で可愛く笑ってみせた。 …………えっ!!? 唯子さんも理事長の姪っ子さんなの……!?? えっ…?!…親戚多くない…?!! でも…その事実を聞いてさっきのモヤモヤが晴れた気がする。そっか…そういうことか…だから唯子さんにも私の事情を…。そうなると理事長が唯子さんに私の事情を説明している点に納得がいく。 というか、咲良にしろ唯子さんにしろ、2人とも美人過ぎない!?そう言われて見れば…少し違うが咲良も唯子さんもなんとなく似ている気がする…一体どんな恵まれた家系なんだ…!!? 結「…………ということは、咲良と唯子さんは…………」 理「従姉妹同士ということになるね♪私の弟が唯子の父親で、妹が咲良の母親なんだ♪」 理事長はそう言って嬉しそうに話す。 理「おぉ…!?もうこんな時間か…!少し長話しすぎたようだね。結菜くんにはこのあと試験を受けてもらったり全校集会に出てもらったりといろいろとやってもらわなければいけないのだよ。」 理事長は、早口気味にそう説明した。 結「……試験??…あの、試験って…?」 転入の手続きの際に転入テストは受けている。 そのテストに合格したから今日転入することが出来たのだ。
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