出会い

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唯「うちの学園はね、基本的に生徒会が中心となって行事ごとを行うの。集会も生徒会主催のものがほとんどだしね♪今年の生徒会は凄い人気もあるし…生徒会長も1年生だし…今年は面白くなりそう♪」 …えっ、1年生が生徒会長なの………!!? 普通そういうのって上級生がするものじゃないの…!!? いいのか、生徒会長が1年生で…!?? そして、生徒会が人気ってどういうことだろう? 結「1年生が生徒会長って珍しいですね…」 唯「最初は先生たちの中で異論をとなえる人も何人かいたんだけど…理事長が引き入れたわけだし、本人も生徒会長としてしっかり仕事してるから今は誰も何も言わなくなったんだけどね♪」 まぁ…普通そうなるよね… でも1年生でちゃんと生徒会長として認められたってことだよね… 凄い人だな…その生徒会長…機会があれば見てみたい……… そんな話をしていると、体育館の裏口のようなところに到着した。 唯子さんに手招きされながら入口に入ると、そこは体育館の舞台袖のようだった。 どうやらここで、転入生紹介まで待機するらしい。 唯「着いた、着いた♪あっ、そういえば、葉山さん、理事長から私との関係聞いた…??!」 結「…聞きました!咲良とも従姉妹だと聞いて、更に驚きました…!!それに…私の事情もご存知だとも…とても優しくして頂いてるのに…なんか…こんな形で編入することになってほんとにごめんなさい…」 唯「うふふ…♪そんなこと気にしなくていいのよ♪葉山さんを守りたいっていう咲良の気持ちはすごくわかるし、もし私が咲良の立場だとしても、きっと同じことをしたと思う。咲良にとって大事な人は私にとっても大事な人だから…だから謝らないで。」 そう言って唯子さんは私に微笑んだ。 屈託のない優しい笑顔だ。 唯「…叔父様あんな感じだけど…頼りになるし、信頼出来る人だから。実はね…咲良から葉山さんの話しを聞いた時、咲良がお願いする前に責任は私が持つからうちの学園に連れてくればいいって言ったのは叔父様の方なのよ。だから安心して。私も葉山さんの味方だから。咲良と一緒にこの学園で楽しく過ごしてね♪」 そう言って唯子さんはまた微笑んだ。 唯子さんの言葉が心に染みて目に涙が浮かぶ… 理事長そんな風に言ってくれたんだ… 咲良を始め、唯子さんに理事長…みんなの優しさが本当に嬉しい… 結菜は嬉し涙を拭いながら答えた。 結「唯子さん…ありがとうございます…。 唯子さんや理事長にも暖かく迎えて頂いて…私本当に嬉しいです…」 唯「…ウフフ♪ありがとう♪でもお礼なら咲良に言ってあげて。あなたを助けたいっていうあの子の熱意が私や理事長を動かしたんだから。私はそれに応えただけ」 唯子さんは「ねっ?」っと私にウインクをした。 …私が男の人ならまず間違いなく唯子さんに惚れていただろう。 唯「あっ……….?!そうだ!!葉山さんって呼びにくいから結菜ちゃんって呼んでいい?」 結菜は「…はい♪」とまた涙を拭いながら答えた。 そんなやり取りをしていると、「唯子先生、ちょっとよろしいですか?」と他の先生が唯子先生を呼びに来た。 唯子先生は、「すぐ行きます」と答えて私のところにかけてきた。 唯「ごめん、結菜ちゃん…他の先生に呼ばれちゃったからまた後でね!転入生紹介までまだもう少し時間あるみたいだからここで待っててね。」 そう言うと唯子さんは先程の先生の元へと戻っていった。
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