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ん?こんな朝早くから誰だろう…?
そう思いながら、結菜はインターホンへ向かう。
インターホンの画面には白い手袋をし、執事服のような格好をした、知らない男が映っていた。
?「…おはようございます。葉山様。お迎えに上がりました。」
結「えっ…?…………誰????!」
突然の知らない男の訪問に結菜は驚いた。
思わずインターホンに向かって叫んでしまった。
それに答えるかのように再びインターホンの向こうから男が話しかけた。
?「…驚かせてしまい申し訳ありません。私、愛蘭学園で理事長の運転手をしております向井と申します。」
そう言って向井と名乗る男はインターホンの前でお辞儀をした。
…そして顔を上げた向井が続けて結菜に話かける。
向「愛蘭学園理事長より、葉山様をお迎えに上がるようにと申し使いました。マンション前にてお待ちしております。それでは、失礼致します。ペコッ」
そう言うと、今度は深くお辞儀をし、向井お名乗る男はインターホンの前から姿を消した。
いきなりの出来事に状況が全く飲み込めない結菜はしばらくインターホンの前に立ち尽くしていた。
………驚いた。…一体何が起こったんだろう?
学園からの迎え…?…そんなものを頼んだ覚えはない。それに、理事長の運転手…?…一体何がどうなっているんだ…?
結菜の頭には?がいっぱい浮かんでいた。
…何がなんだかよくわからないが…とにかく下に降りなければ状況がよくわからない…
マンション前にいるとか言っていたし…本当に転入生の為にわざわざ迎えに来たというのだろうか…?
…何がなんだかわからないまま、とにかく結菜は慌ててスクール鞄を持って部屋を出る。
部屋を出てマンションのエントランスホールへ向かう途中、結菜はどこかへ電話をする。
結「…私…うん…おはよ。よくわからないけど…今日は学園から迎えが来てくれてるらしいの。…うん…だから…今日は大丈夫…。…うん…また明日…お願いね…じゃあ…プッ…」
どこかへ電話をかけ終わった結菜は早足でエントランスへ向かう。
まさか転校初日からこんなにバタバタするとは思っていなかった。
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