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不安を抱えながら乗り込んだ結菜だったが、リムジンの中は心地の良い音楽が流れ、意外にも学園までの道中はとても居心地の良いものだった。
そして20分ほど走ると、リムジンが止まった。
向井が車から降り、その直後私の傍のドアが開いた。どうやら学園に着いたらしい。
私は車から降り、運転手の向井さんにお礼を言った。
向「…お疲れ様でございました。本来であれば内門までお車でお送りしてさしあげたいのですが…本日は転入初日な為手続きなどの関係で外門までとなり申し訳ありません。」
そういうと向井は申し訳なさそうに頭を下げた。
向「守衛がおりますので、そこで手続きを済ませてあとは校舎へ向かって進めばその内着くと思いますので…どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ。ペコッ」
運転手の向井はそう言うと深々とお辞儀をして、再びリムジンに乗り込んだ。そしてそのままゆっくりと走り去った。
………ん?……ちょっと待て。
今の向井さんの言葉にはツッコミどころがたくさんあった気がする。
まず…校舎に向かって進めばその内着くって…どういうこと…?!!…校舎までそんなに遠いのか?!普通すぐ目の前が校舎じゃないの?!
それに守衛さんいるってどんだけ豪華なのこの学園!!そして外門と内門って何…?!!
何故門を2つに分ける必要がある…?!!
ツッコミどころがありすぎて疲れるわっ…!!
…まぁとりあえず入ってみるか_________
そして、現在私は固まっています。
もう一度言おう。私は固まっています。
目の前には大きな外門と呼ばれる門がそびえ立っている。
結「…デカい。全てのスケールがデカい。」
とてつもなく大きな鉄の門、驚くほど遠くて大きな校舎、端が見えない程無駄に広い敷地、まるでお城のような学校______
その学校の名は愛蘭学園高等学校(アイランガクエンコウトウガッコウ)。
国内一有名な超セレブ進学校である。
学費も驚く程高いし、敷地は無駄に広いし。
だか、レベルが高いと言われるだけあって国内の進学校の中でも群を抜いている。
(でも校舎はかなり離れているようだが…同じ敷地内に一般の生徒でも通える普通科の校舎もあるそうだ。普通の家庭の生徒を一般の生徒と呼ぶのは差別ではないのかと疑問に思うが…)
そんな超セレブな進学校に私は今日から通う。
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