終章

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『あの娘が欲しい。今決めた。私はあの子を妻にするぞ』 『おいおい・・・独身主義のお前が何言ってるんだ』 だが古淵の言葉など耳に届いていないようで、広一は友達と笑いあう絹子を見つめ続けた。 なぜだ、あの娘から目が離せない。 『彰芳絹子、か―――・・・』 初めて心奪われた。 両親を見て、妻などいらないと思っていた。 だがあの娘を見た瞬間、広一の止まっていた時間は動き出した。 広一はふっと笑うと、これから起こるかもしれない予想もしなかった人生を思い浮かべ、あの娘を妻にする支度をする為くるりときびすを返したのだった―――・・・    
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