輿入れ

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絹子の元に縁談が来たのは、まだ絹子が女学園の生徒だった時だ。 17になったばかりの絹子は父親から告げられた縁談の話に、顔色を変えることなく、ただぼんやりと聞いていた。 「聞いているのか絹子!」 「え、はい、輿入れを…するのですね」 父純一郎の問いに、力無く絹子は頷いた。    
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