はじまり

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タバコを半分くらい吸うと、ようやく活動開始する。 「本日は、 10時より佐伯様との御会談 14時から神谷夫人とショッピング 16時頃帰宅 すぐに経済学の勉強 18時よりエステとなっております。 ご昼食とご夕食はいかがなさいますか?」 長い説明に、うんざりしながらタバコの残りを吸う。 「…何でもいい…司が決めて…」 「かしこまりました」 そう言って部屋を出たのは、私が着替えるからだ。 バカみたいにでかいクローゼットの中には、信じられない程の洋服の数。 いつも迷ってしまう。 私は遥奈。 元は普通の生活をしていた。 父の務める会社が軌道に乗り、そのキッカケとなったプロジェクトの責任者だった父は、大出世したのだ。 見事セレブの仲間入りを果たした私達家族は、今では豪邸に住み、皆それぞれに執事がついている。 セレブ故の付き合いも増え、会話のための勉強もしなくてはならない。 …正直、前の生活に戻りたい…。
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