はじまり

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そんな事を考えながら、支度して部屋を出た。 ドアの近くに待機していた司に声を掛け、食堂へ向かう。 藤堂司。 私の執事。 最初は、カッコいい司を見てラッキーって思ったけど、どんなに一緒に居ても、どんなに話しても、砕けない態度に私は失望した。 恋愛感情ではない。 私には、恋人がいるから。 でも、どーせなら、仲良く楽しく過ごしたい。 もちろん本人には言った。 でも、返ってきたのは 「執事はお嬢様の手であり足です。そのような分不相応な事は私にはできません。」 だって。 つまんないのー。 結局、何度も話したけど、譲歩したのは私を「お嬢様」と呼ばない事だけだった。 それ以外は、事務的にこなしている。 司は、優秀な執事だと思う。 だけど、人間味がないからつまんない。 「遥奈様」 お、何?ようやく司から会話開始か?! 「お食事中でございます」 …。 「…わかってる」 ちぇっ。 やっぱりつまんない奴。
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