・*‡ 第一章 ‡*・

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決して触れることの出来ない あの果てしない宇宙(ソラ)に 凛として在る月 唯一 その月光の深い優しさを憶えて 盲愛は底もなく果てしなく ただ愛しさと寂しさを生むばかり 愛し合うことなど出来ない絶望が 夜になって荒波のように襲い掛かる 寄り添うように 月囲い輝く星々は いくら望んでも手に入らない「居場所」 見上げるたびに膨れ上がる 憎しみ 悲しみ 濡れる瞳は深紅になりて 想いは止まることなく 願いは唯(タダ)一つ 全てが求めるものは キミという愛しい月 霞み 揺れる 儚いあの水平線で しなやかな海に漂う 偽りの月と 穢れない宇宙(ソラ)に浮かぶ 真の月が 触れ合い溶け合い一つになる運命の刹那 月に恋焦がれる兎は想う 霞み 揺れる 儚いあの水平線に 暗い海を独り泳いで 辿り着いたなら 真の月に抱かれ あの宇宙(ソラ)へ昇り 永久に月に抱かれ 永久に愛を囁き合い その声に導かれ夢を見れるのだろうか…  
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