夏の始まり

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「そうじゃない!」 と、またタオルを剥ぎ取る。 「そんなに妹の寝巻きを見たいの? と枕を抱きながら言った。「あのなぁ~寝巻きじゃないだろそれ、だいたいいくら夏で暑いからって下着姿で寝るのはいかがなものかと思うぞ。」 すぐさま 「ちゃんと上にミニワンピ着てるもん。」 ダメだこりゃ、 「とにかく寝る時は服を着る!いちよう女の子なんだからな、」 最近の女の子はみんなこんなものなのだろうかと考えてしまった。 「えー、せっかくお兄ちゃんに見せてあげようと思ってたのに。」 少しナギの顔が笑っていた。 「見たくもないよ。だいたい…」 ドサっ! 顔面に枕がクリーンヒットした。 「なんだよ!いきなり!」 顔を手で覆いながら言った。 「それは失礼過ぎるんじゃないかなぁ」 気づくと俺の目の前に仁王立ちで立っていた。 「悪かった!」 俺はそう言うしかなかった。 なんでまた俺がこんな目に…起こしに来ただけなのにと思いながらその場で立ち上がり、部屋をでようとしたときに言い忘れたことに気がついた。 「あっ、あとナギ、お兄ちゃんって呼ぶのやめなさい。」 さすがに高校2年生になって1歳しか変わらない妹にお兄ちゃんと呼ばれるのはなにか恥ずかしい、だから名前で呼べと言い聞かせているのだが、 「だって名前で呼ぶの恥ずかしいんだもん。」 普通はお兄ちゃんと呼ぶほうが恥ずかしいと思うのだがめんどくさいのでなにも言わなかった。 「まぁー、とにかくお兄ちゃんはやめてくれ。あと早く身支度すませろよ。夏休み初日からかなりのタイムロスだぞ。」 朝飯どうするかぁと考えながら、あ、もう昼飯かと考える夏の始まりだった。
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