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「よかったですねー、勇者さん。一時は勇者さんのあまりの勇者な行動にどうなるものかと思いましたよ。まさかここでゲームオーバーかと」
「うん、その元凶であるお前が何言ってんだろうね」
そろそろこの妖精、どこかにしまっておくべきなんじゃないだろうか……
「ところで、そのフワフワ浮いてるのなんなの?」
「あぁ、こいつは妖精で俺は勇者として」
「あー、私は勇者さん以外に見えない設定だったなー(棒)」
「……一人で何してんの?」
「お前もそこは空気読むの? てかもう読まなくてもいいんじゃね? 完璧、妖精見えてるよ? 店長なんて妖精に向けて手を振ってるよ?」
「あー、店長はそういうところがあるから……」
「店長を危ない人呼ばわりしてまで誤魔化すの!?」
どんだけ空気読むんだよっ! もうそれなら妖精がちゃんと姿消せよ! 設定どおりに!
「で、何しに来たわけ? タオル一丁で」
「あー、それなんだけど。実は魔王を倒すのに装備が必要でさ。でもいくらコンビニだからと言ってそんな装備があるわけ」
「あるよ」
「……あははー、やっぱりかぁ」
なかったら話進まないもんね~。そりゃぁあるよねぇ~……。
「べ、別にあんんたのために用意したわけじゃないんだからね! い、痛い子だなとか、思ってないんだからね!」
「うん、自分で用意したくせに痛い子だとか思ってるんだね幼馴染! お前絶対妖精とグルだろ!」
「さぁて、何がお望みですか?」
「しかもいきなりモブゼリフ喋り始めたし!」
「か、勘違いしないでよね。早く済ませないと上から怒られるなんて、思ってないんだからね」
「ツンデレで誤魔化してるけど、ようはさっさと進めろって要求してんだよね」
まぁ、いいけどさ……。さて、期待はしていないけど何があるのかな。
《『カラーボール』『催涙スプレー』『取り押さえ棒』》
「うん、普通に店の備品だよね!? てかそれって装備って言えるの!?」
「か、勘違いしないでよね。別にあんたに売り飛ばすために店から盗ってきたんじゃないんだからねっ!」
「ツンデレで誤魔化しても、それは犯罪だからなっ!?」
「……さぁて、何がお望みですか?」
「あぁ、もう分かったよ! もうツッコまねぇよ!」
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