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まぁ、なんか面白……ゲフンゲフン。世界の危機と言われて黙っているわけにもいかないしな。ここで立たなければ男じゃないというものだ。まぁ、今立つと寒いから湯船の中で温まってから立とうと思う。
「そーですか。ありがとーございます」
「うん、また棒読みになってるけど、これもスルーしといてやる」
「あざーす」
……。
「ところで世界が窮地に立たされてるって……どういうことだ?」
「それは……魔王が目的を成就させると、世界が、めっ」
「滅亡!?」
「いえ、めっちゃ困ります」
「抽象的だな、おい! もちょっと具体的に説明頼む」
「えっと……世界中の人間の脇がかゆくなります」
「今度はえらく地味だな! てかそれ嫌がらせってレベルじゃね? 全然、脅威でも窮地に立ってもいなくね」
「いえ、魔王が世界中の人間の脇をかゆくさせることで出る死傷者は1億人と試算されています」
「なんで!? なんで、脇がかゆくなっただけで、そんなに人が死ぬの!?」
「あー脇がかぃー……鬱だ、死のう。こういうわけです」
「どういうわけだ!? そんな人世界中のどこを探してもいねぇよ! なに脇がかゆいから鬱になる人って!」
「いえ、いますよ。地中に住むワキアンダルーダン人の事です。彼らはみな脇が痒くなると死にたくなります」
「……なにそのとってつけたような設定の種族」
「しかも彼らは地上侵略を企んでいます」
「じゃあ、別によくね!? むしろ魔王の目的阻止する意味なくね!?」
てか、もう話がグダグダになるので、設定を変えよう。
TAKE4。
「魔王は地球侵略を狙ってます。うん、そんな気がする」
「気がするておま……まぁ、いいや。で、どうすればいいの?」
そろそろ本気で湯がぬるくなってきた……。ここは早く本題を終わらせて風呂から出たい。
その意思を汲みとったのか、妖精はサクサクと先に進めてくれた。
「はい、それでは今から勇者になるためのテストします」
テスト?
「なにそう身構えなくても、簡単な事です。今からこの風呂場に入ってくるモンスターを倒せば合格です。ではいきますよーっ」
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