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つぉおおおおっ!
《『俺』は根性と手首の屈伸で飛び上がり、延長ケーブルを口でキャッチ。そのまま首の力でコードを引っ張り、延長コードをコンセントから抜く》
「なっ、そんな馬鹿な……」
妹が目を見開いてたじろいでいる。ふーっ、うまくいった……風呂場の延長コードが短くて助かったぜ。さて反撃反撃。
「……したいんだが、湯しかないんだよな」
「ですけど、勇者さんの兄としては最低な攻撃である『湯かけ』によって、妹さんは体を隠すために手が使えません。チャンスですよ」
「あぁ応援なのか、けなしてるのかよく分からねぇが、ありがとな。しかしどうする?」
あっちも攻撃手段がなくなったかもしれないが、こっちにも使えるものが湯しかない。どうする? 風呂から出るか? しかしそのすきに攻撃される、と言うかもう二度と妹にあんなものを見せるわけにはいかない。
「勇者様。こういう時こそ『説得』コマンドです」
え? そんなのがあるの? いやあるなら始めから言ってくれよ。
「なぁ、いもう」
「貴様と話す事などない」
……。
「あのー、対話拒否られたんすけど」
「あー、私妹さん側なんで。知りません♪」
んな、無責任な……。
「うふふふ……例え腕が使えなくとも。私には足がある! いくよっ!」
「そして妹も妹でとび蹴りの構えっ!? ……っ!!」
ドグッ……!
《『妹』はとび蹴りを繰り出す。『俺』はそれをガードした》
っぶねぇえ……今の食らってたら確実に気絶してたぞ。と言うかなんでそんな物を繰り出せる妹。
「できるな……お兄ちゃん」
「あぁ、お前の兄だからな」
妹は俺の腕を蹴って後退。次の一撃を放つために距離をとろうとする……が。
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