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「今日から斎藤先生のかわりに3年6組を受け持つことになりました。木梨圭二です。」 教卓にたち、みんなに挨拶をする。 余裕ぶっているが、今にも心臓が飛び出そうだ。 「それではさっそく出席をとりたいと思います。」 俺は名前順にかかれた生徒たちの名前を、一人一人呼んでいく。 「斎藤」 「はい」 「白石」 「…」 「あれ…?」 白石という人の返事が聞こえない。 「あー、白石なら多分遅刻っす」 一番前の席にいたツンツン髪の少年が呆れ顔でいう。 多分、白石というやつが遅刻してくるのはいつものことなのだろう。 ホームルームが終わり、職員室に帰ろうと荷物をまとめていると、生徒たちが一斉に集まってきた。
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