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ある四人の男の写真が画面に映る。 『まだこの四名の居場所はわかっておりません。この顔を見かけたらすぐさま警察の方までご連絡ください。それでは続きまして...』 女性のアナウンサーが険しい表情から一転してニュースの内容を明るくしている。 「早く捕まっちまえ...」 小さな男の子が店の前に置いてあるテレビ画面に向かって呟く。 その少年の後ろにフードを被った男が現れ少年に問いかける。 「捕まってほしいのか?」 少年は頷き答える。 「うん。父ちゃんや母ちゃん、兄ちゃんも奴らのせいで死んだんだ。だから早く捕まっちまえばいいんだ。」 「...そうか...坊主、名前は?」 「俺か?俺はリョウ。お兄さんは?」 「...俺か?...名乗る程じゃないさ...」 「なんだそりゃ。おい!どこ行くのさ?」 フードの男はリョウが喋っている途中に立ち去っていく。 「不思議なお兄さんだな。」 この時、フードの男が何か呟いたがリョウの耳には届かなかった。 「...リョウか...覚えておこう...また逢うだろうな...」
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