5/6
前へ
/8ページ
次へ
一人のフードを被った男が雪山を走っている。とてつもない速さだ。 男は何かに気づき、いきなり立ち止まると辺りを見渡す。 すると雪の下から六人の男が現れ、フードの男を取り囲んだ。 「おいおいおい、一人相手に六人かよ。政府もなかなか酷い手回ししやがるなあ。」 「うるさい!!手を頭の後ろに回して、その場に伏せろ!!さもなくば、ただちに抹殺する!!許可は下りてんだ!!」 六人のうち、リーダー格のような男が銃を片手に許可証のような紙を出しフードの男にちらつかせる。 「許可?だから何だよ。お前らに俺が捕まえられんの?俺は速いよ?♪」 「かかれ!!」 フードの男がクスクス笑いながら言い終わると同時に、先ほどの男が叫ぶと五人の警官がフードの男に飛びかかる。 「お前らなんかに“音”を使うのはもったいない。」 そうフードの男が呟いたかと思うと五人の警官が雪の上に倒れていく。 「...!!??」 リーダー格の男が辺りを見渡すが、もうそこにはフードの男はいなかった。 「だから俺は捕まえれないっていったのに。」 フードの男は遥か先の頂上から六人の男達を見下ろすと、また目にも止まらぬ速さで立ち去っていった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加