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一人のフードを被った男が雪山を走っている。とてつもない速さだ。
男は何かに気づき、いきなり立ち止まると辺りを見渡す。
すると雪の下から六人の男が現れ、フードの男を取り囲んだ。
「おいおいおい、一人相手に六人かよ。政府もなかなか酷い手回ししやがるなあ。」
「うるさい!!手を頭の後ろに回して、その場に伏せろ!!さもなくば、ただちに抹殺する!!許可は下りてんだ!!」
六人のうち、リーダー格のような男が銃を片手に許可証のような紙を出しフードの男にちらつかせる。
「許可?だから何だよ。お前らに俺が捕まえられんの?俺は速いよ?♪」
「かかれ!!」
フードの男がクスクス笑いながら言い終わると同時に、先ほどの男が叫ぶと五人の警官がフードの男に飛びかかる。
「お前らなんかに“音”を使うのはもったいない。」
そうフードの男が呟いたかと思うと五人の警官が雪の上に倒れていく。
「...!!??」
リーダー格の男が辺りを見渡すが、もうそこにはフードの男はいなかった。
「だから俺は捕まえれないっていったのに。」
フードの男は遥か先の頂上から六人の男達を見下ろすと、また目にも止まらぬ速さで立ち去っていった。
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