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振り返ると、挙動不審な一哉を不思議そうに見つめる後輩がいた。
「仕事終わりっすょ、早くあがりましょう」
「あぁ、わかった」
…簡単な会話。
生きている実感がないという一哉は、それでも気丈に振る舞っていた。
きっと、周りの人には何も変わらない「一哉」であって、
そしてそれは当たり前過ぎる程当然な事で、
何かを気にかける、という行動や思案は逆に不自然で不可能な事であるのだ。
一哉さんはちょっと変わった人。
それが社内でのキャラクターなのだから、なおさら、小さな変化など感じ取ってもらえるわけではないのだ。
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