発端。出会ってしまった。

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発端。出会ってしまった。

 4月。  1学期。  俺はこれから始まる高校生活に胸を膨らませ、中学からの友人と学校の門をくぐった。  ……と、言いたいところだが。  正直胸は膨らませていないし、そもそも門が無いところから入ってしまった。   ……右を見る。「なんだ? どした? 可愛い人いたのか!?」馬鹿がいる。  続いて左。  うん、綺麗な桜だ。  実際この学校の桜は有名だ。  だがしかし。  その桜の樹だけ。いや、その桜の樹の下にいる人だけに、俺の視線は捕われていた。  ……その桜の下に、何故か猫の着ぐるみを着た上級生らしき人がいたのである。 『けい●ん!』か、と心の中で突っ込んだ貴方。  気にするな。  あんな人とは知り合うまい。  俺はそう心に誓いながらできるだけその上級生らしき人から遠ざかりながら、入学式の行われる体育館へ歩いて行った。
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