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彼らの保護者は自室で一升瓶を抱えて爆睡中だ。
その絵図が壁越しに聞こえる家主の大きないびきから容易に想像出来てしまうあたりが、もうこの家にも慣れたという証拠だろう。
廊下を歩いて暗いリビングに着く。
リビングの電気を付けるとアスカがテーブルについていた。
今の彼女はタンクトップにショートパンツというルーズな格好。
就寝前とは違う服装から、おそらく寝間着だろう。
「部屋にいてくれれば持っていくよ?」
「いい、ここにいる」
「な、なんで?」
聞き返した事に後悔したが、彼女から怒声が飛ぶ事はなかった。
「だって、あたしが頼んだんだし……それに、あんたも食べるでしょ?なんか一緒に食べたい気分なの」
「そう……なんだ……。あ、うどんあったよ。うどんでいい?」
「うん」
アスカの台詞に気まずさと恥ずかしさを憶えたシンジは少し熱くなる顔を意識しながら鍋に水を入れて火にかけた。
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