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そんないつもと変わらないあの日
その日も私は怯えていました
「お父さん買おうよ。この子すごく可愛いのよ?この子とかみないい子にするから」
なにやら可愛らしい女の子の声が箱の外から聞こえてきます
かみなと言うのはきっとその子の名前なのでしょう
「しょうがないな。そろそろうちにもアンドロイドが必要だったし…いいか」
父親らしき男はそう言うと女の子の頭を撫でました
「どいつがいいんだい?」
「かみな、決めてたの!」
ああ、幸せそうだ
私も早くここから逃げ出してしまいたい
大きな世界へ羽ばたけるチャンスを貰った箱はどの箱だろうと、私は顔を傾けながら見ていたのですが
その時箱がぐらりと動いて、目の前が暗くなったのです
そう、私はこの少女に買われました
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