三台の機械

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空の首に左手を掛け、右手が体を這う。 きもちわるい 手が、父親が、体が。 汚れていく自分を妬ましく思うような、そんな気持ちになっていく。 そんな空を父親は、高笑いした。 「お前はもう、綺麗じゃない」 そんなことは、わかってる。 そういいたい気持ちを空はグッとこらえた。 「っ……あ!」 不意に空の首に力が入る。 空は思わずその手を掴んで抵抗しようとしてしまう。 そうしてもがいて、息を求めていると、空の手に力が入った。 「いってぇ!」 爪が、食い込んだ父親の声が浴室内に響いく。 その瞬間、空の瞳が小さく怯えた。 「ガキが!!ガキが!」 時すでに遅く、何度も繰り返し空の頬を平手が打ち交う。 「ごめんなさいパパ、ごめんなさい…」 瞳に怒りを宿した父親はもはや空の言葉が只、油になっていく。 刹那、母親の声が聞こえた。 「ねえ、ソレ、死んじゃうから。息してんの?」 父親の荒い息が止み、気を失いかけている空を浴室から連れ出した。 「生きてるよ。生き地獄。俺に逆らうから」 父親は小さく笑い、自室に空を連れ込んだ。
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