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静まり返った部屋
空の恐怖へ対する息遣いだけが響く。
そこへ母親が入ってきた。
「ね、 何しようか。
ナイフにする?ベルトにする?あ、バットは?」
寒さに震える空に、冷たいナイフが当てられる。
緊張が渦巻いて
体を縛り付けた。
空にとって、ナイフも、ベルトもバットも
全てが凶器でしかない。
笑いながら狂ったように
道具を振り回す両親
母親は、一瞬、いとおしそうに
空を見た。
幾時間たっただろうか。
母親の舌が体を這っていた。
父親はそれを映像に撮り
裏サイトらしきもので販売していた。
怯えて泣く空を高笑いが包み込んでいる。
既に、深夜を回っていた。
タ ス ケ テ
声にならない声が涙に、笑い声にかき消される
空の思いは意識と共に消えていった。
目が覚めるといつもの部屋。
暗く狭い、あの部屋。
「………ほ…ん」
誰も居ないことがわかった空は
昨日の本を探した。
「あった」
寒さでカタカタと震えながら
その続きを読んでいく。
前夜のダメージが大きかったらしく、壁に背を着けて
寄りかかるように読んだ。
正直、気分も悪く、体も痛かっただろう。
母親に、前夜よく解らない薬を飲まされて意識は朦朧としていたのだから。
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