一畳の部屋

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空は部屋の片隅に捨てるように置いてあった本を手に取った。 「……小説?」 小さな声で呟くと 表紙を開いた。 埃が積もっていたので、 小さな部屋中に埃が舞い上がる。 だが、そんなことはあまり気にしては居なかった。 「パパの…?」 開いた一頁目には空の父親の名前が書いてあった。 『たかはしたいよう』 平仮名で書いてあるということは かなり古い本だろう。 空はさらにもう一頁めくった。 ファンタジー小説らしく、 空は思わずその世界に入り込んだ。 小さく呼吸をする。 「…!…ケホッ…ゴホ…」 空気中に漂う埃を吸い込んでしまったのだろう 弱々しく何度か咳き込んだ。
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