203人が本棚に入れています
本棚に追加
空は部屋の片隅に捨てるように置いてあった本を手に取った。
「……小説?」
小さな声で呟くと
表紙を開いた。
埃が積もっていたので、
小さな部屋中に埃が舞い上がる。
だが、そんなことはあまり気にしては居なかった。
「パパの…?」
開いた一頁目には空の父親の名前が書いてあった。
『たかはしたいよう』
平仮名で書いてあるということは
かなり古い本だろう。
空はさらにもう一頁めくった。
ファンタジー小説らしく、
空は思わずその世界に入り込んだ。
小さく呼吸をする。
「…!…ケホッ…ゴホ…」
空気中に漂う埃を吸い込んでしまったのだろう
弱々しく何度か咳き込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!